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 除雪車
  Russell Snow-Plow 
色々、経緯があって、
寿都鉄道の木造ラッセル車をフルスクラッチすることに・・・

2023/07/21
その上回りですが・・・

元は、大正元年(1912)鉄道院札幌工場製のラッセル車、キ1型 キ32
寿都鉄道へ転属して1954年頃の姿。
かなり改造されて、面白い形態になっています。
「寿都鉄道」(プレス・アイゼンバーン:1984)に多数写真が出ていたので参考にさせて頂きました。
それでも色々判らないところが在りますが、推定で・・・
(後日、より実機に近づけるべく、修正した図面と入替えます。)

T字型の煙突。
屋根上の手ブレーキハンドル。
複雑に組み合わされたウイング。
大きさが揃っていない、小さな側面窓。
手ブレーキを操作する為か、外へ出られる程、大きかった天窓。
エアータンクが支障するためか、おかしな位置まで引き出されてしまった、後部連結器。

背面に背負った、でっかいエアータンクは妻板に少し埋まっています。
なぜか、高さの無い後部貫通扉。
舳先のように、とんがった前面窓とか・・・
色々と個性的です。

木型を造って活字金属を鋳込み、
ウエイトを兼ねて床下に吊り下げました。
側板等はフライス盤でスジ掘りを行いました。

スジ掘りを行っている様子。
t0.8真鍮板の一端を固定し、折れたタップを尖らせて作った針を、
0.1mmの深さで引いて作りました。
見易いように、青ニスを吹いています。

2023/07/28
後部を箱にしました。
デッキ部は t0.8 真鍮板を三枚重ねで表現し、
ウイングの取付部は真鍮の蝶番を流用しました。

当初、レールクリーニングカーを兼ねていたので、その関連が付いています。

2023/08/04
運転室部分を作りました。
しかし、印象把握に、かなり甘さがあったようで、
正面窓周辺が、実機と掛け離れた雰囲気となってしまいました。

図面・写真を再検討した結果、大体、原因が掴めたので、作り直します。
やはり、人の顔に相当する部分は、僅かの寸法の違いでも、
大きく印象に影響するので難しいです。

2023/08/11
運転室部分を作り直しました。
中央の舳先の様な部分を、以前より尖らせました。
運転室両脇の窓の後退角は、もっときついと思われますが、
そこまで直すと、修正が側面全体に及ぶため、そこは目をつぶりました。
ラッセルヘッドの骨組みを組付けたので、ラッセル車らしくなってきました。

TR41台車では、車体に収まらなくなったので、仮台車を作りました。
台車枕梁は、板の折り曲げだと、精度と強度を確保しづらいので、
真鍮フラットバーから削り出しで作りました。
ちなみに、後部台車は正しくは、小さなアーチバー台車で、
いずれ、こちらも自作しなければなりません。

車輪は Φ12 の小径車輪ですが、当然、手持ちは無く、
稲見鉄道模型S/Sさんに聞いたところ、
On3用なら在るかもしれないとのことで、探し出して頂きました。
最悪、車輪の自作も覚悟していたので、助かりました。
写真は SUS303(快削ステンレス)の磨き丸棒から、車軸を旋削しているところ。

2023/08/18
ラッセルヘッドの側板を組付けました。


側板のリベットは、フライス盤のDROを用いて、座標管理で打ち出しました。
左右側板、一緒に打ち出しています。
壊れたオーディオアンプの放熱器をダイの高さに加工し、ワークを挟んで固定できる様しています。
奥に、フライス盤Z軸コラムに吸着させた、マグネットベースが見えます。


ダイは、M4ホーロービスに Φ0.7 等各種径の貫通穴を開け、焼き入れしました。
ポンチは、折れた小径エンドミルを砥いで作りました。
先は、あまり尖らせると、ワークに穴が開きます。
t0.2 燐青銅板の場合、写真の程度が良かったです。

リベットを打った後、ダイに食い込んだワークを剥がさないで、うっかりXYステージを動かすと、
折角、形成したリベットの頭が取れてしまうので、注意が必要でした。

ダイのブロックは、フライス盤のZ軸コラムに吸着させた、大きめのマグネットベースで保持しています。
この技法は、鉄道模型の部屋 さんの記事を参照させて頂きました。
DRO付きフライス盤を、簡単にリベット打出器にできる、優れたアイデアだと思います。

2023/08/25
ラッセル・ブレードを組付けました。材料は t0.2 真鍮板です。
曲面のため、難航を予想していましたが、
意外にも、そこはそれほど難しくはありませんでした。
(ただし、内部はハンダで、てんこ盛りです。)

窓ガラスの接着や、乗務員を乗せる為、
運転室は取り外し可能としたいですが、隙間が目立つのは避けたいため、
運転室とラッセルヘッド上部を一体化し、写真の様に分割しました。

また、とりわけラッセルヘッド部の、実物との差異が気になりますが、
都度、作り直していては、いつまでも完成しないので、
今回は、構造や工作法の確認・習熟に専念する事とし、
修正箇所は図面へ反映・・・いつか再製作するときの資料に供します・・・

2023/09/01
後部エアタンクや端梁を取り付けました。
エアタンクのリベットは、もう少し小さい方が良かったのかもしれません。

実物は、車内にも、3つエアタンクが在ったようです。
それだけでは不足したので、後部妻板外側にさらに2個増設したのでしょう。
それで、連結時の干渉を避けるためか、連結器が引っぱり出される結果となり、
目を疑う様な構造・光景となりました。

後部エアタンクのリベットは、間隔が狭いので、
隣との干渉を避けるため、通常行われているように、ダイを先細に加工しました。

しかし、フライス盤のリベット打出し圧が、かなり大きい為か、
打ち出し中に、ダイが圧壊してしまいました!
この時のダイの穴はΦ0.6でした。

そこで、ダイの形状を少し変更して、再製作し急場を凌ぎました。
焼き入れのみだと、硬くはなりますが脆くもなるので、
本当は、焼き戻しなどの手だてを講じた方が、良いのでしょう。
焼き戻しは 200℃ /1時間など・・・家庭用オーブンでも可能ですので・・・

焼き入れの為、ガス火でダイを炙っているところ・・・
この後、水中に放り込みます。
横着して、2個まとめて電線にからげてますが、
色で判るように、加熱温度がバラつくので1個ずつ行ったほうが無難です。

ダイを交換して、リベット打ち出しを終えたところ・・・

エアタンクの上部のRは、旋盤で加工しました。
Z軸 0.1mm送り毎の、X軸切込み量を計算し、予め数表を作成しておいて旋削しました。
要は、人力NC旋盤です・・・
この後、ドリルレースの要領で滑らかに仕上げます。
この方法により、エアタンク2個の形状を、きっちり揃えることができます。


2023/09/07
ウイングを製作・取り付けました。
昆虫の翅のような模様が美しくもあり、少々気持ち悪くもあります。
リブやらスジ彫りやらが在って、加工が煩雑で大変でした。

ちなみに、新津鉄道資料館に展示されている、キ1型キ39の模型。
キ32と同系統の車両で、こちらは未だ改造の手が入っていない初期の姿。
このように、ウイングも木製で、分厚く積層されている事が判ります。

ウイングの製作工程。
ウイング上辺の斜め部分は、所定の角度にセットし、
岡崎精工のメタルソーで切断。写真は斬鉄剣で切ったみたいですな・・・
切断面は非常に綺麗に仕上がります。
材料は t6 真鍮フラットバーです。

リブ以外の部分を2mm削ります・・・
ワークは、ベークライト板にねじ止めし、
XYステージに、切削箇所の角度でセッティング。

写真には出てませんが、
デジタル・プロトラクターという角度定規をベーク板の一辺に当て、
所要の角度を出しています。

リブは、先端径 Φ10mm のボールエンドミルで削って形状を出します・・・

表面の模様は、折れたエンドミルを砥いだ針で、スジ彫りしました。
見易いように青ニスを吹いています。

円弧のスジ彫りの方法・・・
スジ彫りする半径中心の、ベーク板側に穴を開けていて、
それが、ロータリーテーブルに設けたセンターピンに嵌り、
あとは、ロータリーテーブルを回転させて彫ります。
(↑矢印は下写真の放射状パターンを彫刻する際の回転中心。)

ウイング上辺の丸い外形も、エンドミルで同様に加工した事が、ベークの加工痕から判ります。
ベーク板には加工やスジ彫りの為の回転中心の穴が、予め多数開けてあります。
一枚のベーク板の表裏両面使って、左右両方のウイングを加工しました。

スジ彫りを終えたところ。

放射状パターンのところは、
二つ前の写真で↑矢印で示した穴をロータリーテーブルのセンターピンにセットし、
ロータリーテーブルを 1.5° ずつ回してスジ彫りしました。

この後、さらにボルト植え込みを行いました。


2023/09/15
ウイング内側の工作を行いました。

①ウイング開閉エアシリンダーのピストンロッド。
②そのヒンジ。ヒンジは詳しく製作法を下記します。
③ヒンジの上には、ウイングを閉じたときのストッパーと思われるもの。
④ストッパーには、ウイングが開き過ぎないようにする目的と思われる、チェーンも付いています。
ヒンジやストッパーの取付ネジは貫通させ、実物同様、ウイング外側からも見えるようしています。
(上写真は拡大できます。自然光で撮っていますが、
たまたま木漏れ日が面白い効果だったので、そのままupします。)

レールクリーニングカーとしての、ワイヤーブラシ等の装置は、
ディテールとの干渉が避けられなくなったため、やむを得ず取り外しました。
レールクリーニングカーは、別途、改めて製作することにします。

メタルソーを使った、ヒンジの製作工程です。

先ず t3 真鍮フラットバーのサイドを、メタルソーで削り込みます・・・
一気に削らず、数回に分けて行います。
作例はZ軸(高さ方向)も送って t0.8 のメタルソーで、幅 2mm 深さ 3mm の溝を掘っています。
メタルソーは岡崎精工製で、他社製では、以下の加工は多分無理?です。

センタードリルでマークした後
ドリルに持ち替え、貫通させます。

メタルソーで切断・・・
その結果、チャンネル材のサイドに、穴が開いているような形状となります。

先程開けた穴との位置関係に注意しながら、
チャンネル材の底にセンタードリルでマークし、
その後、ドリルで貫通させます。
穴開けピッチは、もちろんDROで管理しています。

精密バイスで垂直に把握し直します。
Z軸をメタルソーの厚み分、上から順送りしながら、
DROを頼りにメタルソーで削り込み、この様に加工し、最後に個別に切断。

出来上がったヒンジ。必要量は2個ですが、6個作りました。
カドがカチッと出ますし、
分解能1/100mm のDROを使って製作しているので、
微妙に取付ネジ間隔が合わないというような事が無いのは気分が良いです。

ストッパーも同様な方法で製作しました。

2023/09/22
運転室屋根上に、ホーン・天窓を取付けました。

少し上向きのホーンが、ベルアップしたトランペットの様です。

天窓は、屋根上の手ブレーキハンドルを操作する為か、
人が出入りできる程、開口部が大きいのが特徴です。


ホーンは、①座標管理(人力NC旋盤ともいう)で旋削しました。
この後、②ドリルレースの要領で表面を滑らかに仕上げ、
③把握用の余剰部分を切り捨て、
ホーンのベル部を、④センタードリルで深く掘り込んで、
ホーンらしい形状にしていきます。

前部台車に直接、触ることができない構造のため、
これまでは、車輪を線路に正しく載せるのが、
非常に難かしいという、ラッセル車ならでの問題が在りました。
線路に載せようとすると、台車が勝手にクルクル回転したりするため、往生してました・・・

横着せず、リレーラーを用意すればよいのでしょうが、それも面倒なため、
コイルスプリングで引いて、台車に弱く復元機能を持たせたところ、
少しはマシになりました。

2023/09/29
ようやく全ての屋根を取付けました。

側面には、梯子や手摺を取り付けましたが・・・

その製作には、大変、難儀しました。
Φ0.7 真鍮線に Φ0.4 穴を、直角に開けたいのですが・・・

当初、V溝の底にΦ0.4の穴が開いているような治具を製作しましたが、
左側のように、真ん中に開きません。
右側も、センターからずれて、一端が切れそうです。

そんな訳で結局、これ全部、失敗・・・どうしてくれるん?・・・

そこで、作った治具など全放棄して、標準的な工作法に切替え・・・

DRO付きのフライス盤に、精密バイスをセット。(口金の合わせ目が、平滑に研磨仕上げしてあるもの)
精密バイスはXYステージに強固定。
ドリルチャックは振れの無いYUKIWA製・・・
と物量投入・・・

DROの指示値を頼りに、Φ0.4 のセンタードリルで、Φ0.7 線のド真ん中に開くまで、
XYステージのY軸(写真の奥行き方向)を微調整していきます。

真ん中に開く様になったら、その位置でXYステージのY軸をロックします。
セッティングは、以後そのままで、ドリルに持ち替え貫通させます。

これで量産開始・・・量産は、
精密バイスにΦ0.7 線をセット → センタードリルでΦ0.7 線にマーク → ドリルに持ち替え貫通
を繰り返します。Y軸はロックしたままで、動かす事はありません。

確実に開けられるようになりましたが、この確認作業は老眼の身には厳しい。
これでも少しズレているような気が・・・

ともあれ、この方法では、致命的な失敗は一つもありませんでした。
これなら、もう少し厳しい条件(Φ0.6 線に Φ0.3 の穴を開けるなど)でも十分対応できそうです。

そのような方法で製作した、梯子や手摺が集中する、
後部デッキ付近の拡大・・・

ところで、実機のドア取っ手は、
家の建具を流用!!しているように思われますが、
少々太過ぎました・・・


2023/10/06
T型のストーブ煙突・手ブレーキハンドル・票差し・屋根へ上がる手摺の残り部分などを取り付けました。
手ブレーキハンドル・票差しは市販部品を利用しました。


2023/10/13
 
後部妻板周りの、ディテール工作を行いました。

実機は、連結面にエアタンクが突出しているため、連結器が引っぱり出され、
それに伴い、解放テコ受けも妙な位置に来ています。
空気ブレーキ配管周りも、こんなんで大丈夫?というような造りです。


模型製作では、地味な部品ですが、外側(写真左側)の解放テコ受けは難物でした。
この部品の製作の詳細はこちら


2023/10/20
前部連結器を、製作・取付けました。

実機は、簡易連結器なので、
ロストワックス自連の上下を、ヤスリで削ってそれらしく作りましたが、
真鍮厚板から製作した方が、良かったような気がします。


2023/12/15
少々、中断していましたが、台車の工程を進めます。
小型のアーチバー台車を製作するのですが、
TR20 などと比べて、あまりに小さいので、
HO用が流用できないかと、使えそうな台車を取り寄せてみたりしたのですが、
さすがに、そこまでの横着は許されなかったようで・・・結局、自作となりました。

写真は、軸箱のボールベアリングが入るところ Φ4 を、
フライス盤エンドミルの正面削りで切削したところ・・・
この後さらに、車軸端やベアリング内輪を避ける Φ3 も同軸で掘り進めますが、
DROに頼れば、軸合わせ作業は造作もありません。
この段階で、実際にベアリングが入る事を確認しておきます。

黒マジックの跡は、エンドミルの原点出しの為です。
エンドミルが接触した部分が、僅かに削れています。


軸箱の斜めの部分を、アングルバイスを使って切削。
下辺の丸いところは、概形をエンドミルで削って、後は手ヤスリで仕上げました。


軸箱の形状を、t1.0 メタルソーで削り出していきます。
この後、t0.3 メタルソーに換えて個々に切り離します。

写真は、加工点がバイスから遠くならないよう、
何度かワークを上へ移動、掴み直しながら、最後の加工を終えたところ。


軸箱サイドの、長ボルトが通る部分を削っています。
エンドミルがバイスを削らないよう、軸箱は1mm浮かせてセットしています。

完成した軸箱。
予備2個を含んで、計10個作りました。


2023/12/22
主に枕梁関連の部品を製作しました。

右上の略仮組状態で、完成形が想像できると思います。
ここまでハンダ付けで、チョコチョコ組立ててきましたが、
これから菱枠をハンダ付けするとなると、全体が崩壊しないか心配・・・

中上の長靴のようなシルエットは、下揺れ枕の一部で、簡単な部品ですが、
形状を揃えたいのと、図面通りの曲線を表現したい為、
少々、技巧的な製作法を採りました。


最初に、真鍮フラットバーから、写真のようにフライス盤エンドミルで切削。
Rの部分は、DROの座標管理で削っています。
Z軸(高さ方向)0.1mm送り毎の、Y軸(前後方向)切り込み量を計算し、数表を作成して作業します。
フライス盤・機械力を行使しているとはいえ、実作業は結構、大変です・・・


端部の穴を先に開けておいてから、
Z軸(高さ方向)を1.3mmずつ送って、t0.8 メタルソーで櫛状に切削。
従って、部品として残る部分は t0.5 となります


櫛の歯は 16枚ですが、ドリルを折り込むのが怖かったので、
穴は途中までしか通していません。


写真のようにメタルソーで、ジャーッと刈り払いますと・・・


このように形の揃ったのが、一気に 16枚できます。
後は、残ったバリを手ヤスリで整えます。



ところで、このような加工に適したフライス盤はというと、
保持力と汎用性から、 MT-2、MT-3 等のテーパー主軸である事が望ましく、
分解能 1/100mm のDROが、3軸に必要です。(もちろん後付けでも可)
メタルソーを保持するアーバーも、廉価で適した市販品が見当たらないため、
自作する必要があります。参照:ブランクアーバー

メタルソー・アーバーの自作には旋盤も必要ですが、
工夫すれば、フライス盤だけでも出来ないことはありません。


2023/12/29
アーチバー台車ですが、
大体、組み立てが終わりました。(写真左)

写真右は、TR41(稲見鉄道模型製作所)を組み立てたものですが、
それと比べてみても、かなり小さいことが判ります・・・

フライス切削をメインに作ったので、
特に菱枠はロストワックスと比べて角がカチッと出ますし、
強度も高いのは、苦労した甲斐があるというものです。

その菱枠は、実物通り、上枠・斜枠を太く、下枠を細くしました。
NゲージやHOスケールでは、致し方無いと思いますが、
Oスケールでこの違いを無視すると、非常に違和感を感じます。

あとは、軸箱蓋やブレーキシューの取付作業が残っています。
ブレーキシューは、あまり見えないので省略しようとも思いましたが、
各方面から袋叩きに遭いそうなので、
当工場で原型を作成して、此処は、ロストワックス部品を外注しようかと考えています。


写真右は、常温黒染め液で黒化処理した物で、
浸漬中に刷毛で撫でたりしてみたのですが、
どうにもムラになってしまいます。
塗装してしまえば、あまり関係ありませんが・・・

軸箱はベアリング装荷としました。
外径 Φ4 内径 Φ2 の 672HZZ(北日本精機)を使用しています。
若干高価ですが、この径の組み合わせは、手に入りにくいので、重宝しています。

OJゲージでは、(模型としての)枕梁は、
板の折り曲げでは、強度・精度とも不足しがちとなるので、
当工場では、真鍮フラットバーから削り出しています。


懸念していた、菱枠のハンダ付け作業の写真です。
放熱を兼ねて、バイスでクランプして組み立てました。
それでも組み立て中、一個が崩壊しかかりましたが、何んとか持ち直しました。

なお、菱枠の帯板は、フライス盤・メタルソーを使って、真鍮板から切り出しています。
菱枠の穴明け間隔も、精度が必要なため、
フライス盤・DROとセンタードリルを使っています。


2024/01/05
アーチバー台車に、軸箱蓋を取付けました。

軸箱蓋の製作法・・・
t0.8 真鍮板にフライス盤・エンドミルで 0.4mm の段差をつけ、
DROを使って、Φ0.3・Φ2 のセンタードリルで穴明け・・・
Φ0.3はセンタードリルの長さが足らず貫通できないので、通常ドリルに持ち替え、貫通させます。
(一箇所、ドリルを折り込んで失敗してます)
その後、Φ0.3 にはボルトを表現する燐青銅線を植え込み、ハンダ付け・・・


0.3 線を切り揃え、整形・・・
フライス盤・メタルソーを使って、段差を残して切断すると・・・
(XYテーブル面から真鍮板までの高さを、精密バイス両脇に置いたパラレルブロックで規定してます。)


このように軸箱蓋が繋がったものができます。
この後、糸鋸で個々に切り離し・・・
ヤスリで整形します。

形が揃った、角のカッチリしたのが、
簡単に量産できます。


軸箱蓋を接着し、台車だけ撮ってみましたが、
ハレってしまいました・・・


2024/01/12
Φ0.3 燐青銅線で、右側正面窓のワイパーを追加しました。
時代にも依るのでしょうが、旋回窓でないところが、面白いです。

後部台車前のフランジャーは、これまでウエイトで誤魔化していましたが、
真面目に作り直しました。


床下に配管類を取付ました・・・
見えにくい位置ですが、それでもかなり効果的です。
直ぐ破損させそうですが、
ラッセルヘッド上には、帯板を曲げて作った標識灯掛けを追加しました。

あとは、後部台車へのブレーキシュー追加と、
上回りが重く(自重 882g)、車体が傾いた時の復元力が不足しているため、
前部台車、上心皿径を拡大する工事が残っています。

たとえレールが捩じれていても、ラッセルヘッド下辺をレールに接触させないために、
前部台車左右2点、後部台車中央1点の、3点支持としています。

ようやく、これで、ほぼ生地完成となりました。
しばらく、この状態で鑑賞・写真など撮り溜めてから塗装します。

それにしても、国内にもこんな面白い車両、題材が在ったんだと、つくづく感心しますが、
なぜ、これまで、ほとんど模型化されてこなかったのかは、
やはり除雪車という、特殊なカテゴリーだからでしょうか?



この頁のURL   http://musikfest.ran-maru.net/OJQ051.html

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