無軸_top
油 庫 1 レンガ積みの油庫は、線路際のストラクチャーとして気になるものの一つです・・・それでいて、
油庫に特化した研究もあまり見ませんので、全国の油庫を調査してみることにしました。
建物としてもそう大きくないので、邪魔にならなければ意外に残されているようです。

2011/06/11

現地の案内板から

明治時代の煉瓦製油庫<ランプ小屋>

 馬下駅は1910年(明治43年)10月25日に開業し、この建物は当時、車両の室内灯をはじめ、車両灯、信号灯、標識灯などに使用する油を保管する油庫であり、ランプ小屋とも呼ばれていました。
 この建物の煉瓦の積み方は、煉瓦を長手だけの段、小口だけの段と一段おきに積むイギリス積み方式で造られています。
        馬下駅
磐越西線 馬下駅の油庫(ランプ小屋)・・・

2011/06/11
馬下駅の油庫 裏から・・・



1999/08/07
 磐越西線 山都駅の油庫(ランプ小屋)・・・同じ線区の馬下駅のものと色調が違います。
 他にも妻部分の明かり取り窓が無いなど、微妙な差異が認められます。

1999/08/07
山都駅の油庫・・・明り取りの窓もきちんと残っています・・・


 高崎線 新町駅の危険品庫・・・屋根が丸い・・・扉部分上部が補修されているようです・・・

新町駅の危険品庫 建物財産表・・・明治43年製のようです・・・


2012/03/04
 東海道線 藤枝駅の油庫・・・奥には藤棚・・・

2012/03/04
 このクラスの大きさのランプ小屋で、出入口が建物の中央からオフセットされているのは比較的珍しい・・・

2012/03/04
 藤枝駅の油庫 案内板・・・


 奥羽線 碇ヶ関の油庫 車窓からの撮影・・・雪のためか屋根が少し反っています・・・


 北陸線 津幡駅の油庫 ・・・

 津幡駅の油庫 裏側の様子・・・窓上扉上はアーチ構造ではありません。

 津幡駅の油庫 雪国のためか庇もあります・・・

 ちなみに津幡駅の跨線橋 上段が2段になっています・・・電化などの際に嵩上げされたのでしょうか?


青春18切符を使って油庫を集中的に撮影してきました・・・ 2012/03/24
常磐線 佐和駅の油庫 駅の北端、ホームからかなり離れたところに在りますが、昔は構内が広かったのでしょう(>間違いと判明)・・・
大谷石製・・・上段1列目の屋根瓦が落ちていますが、傷まないうちに早めに修理して欲しいものです・・・ 

後日、情報によると・・・

佐和駅には跨線橋近くに久ノ浜駅と同様のスタイルのレンガ積み油庫がもうひとつ在り、
こちらは震災で全壊して無くなってしまったそうです。

さらに後日、再訪して駅員さんに直接尋ねてみたところ・・・
この建物は民間の倉庫(蔵?)で鉄道関連のものでは無いとのこと。建物財産標も在りませんでした・・・残念・・・
しかし、手前の道路が線路跡のようにも見え、出入り口の方向・全体形状・大きさなども油庫にそっくりです。
それにしても日本鉄道時代も含めて鉄道とは無関係なんでしょうか?


2012/03/24
 常磐線 久ノ浜駅の油庫・・・小型で屋根が丸く、このあたりで最も佇まいのよろしい油庫・・・

2012/03/24
久ノ浜駅の油庫、周辺の様子・・・基礎は大谷石製・・・

2015/08/09
建物財産標には明治30年とあり、駅の開業と同時期です・・・

2015/08/09
反対側の窓は塞がれていますが木枠は残っています・・・

2015/08/09
背面はレンガのベタ壁で窓はありません・・・
レンガは長手積みで、寸法は約230×110×60mm

2015/08/09
カメラの仕上がりイメージを「鮮やか」にすると・・・

2012/03/24
 常磐線 草野駅の油庫・・・やはり屋根が丸い・・・

2021/04/03
 最近、周辺の工事がなされたため全景が鑑賞できるように・・・ 久ノ浜と同一スタイルです・・・

2021/04/03
 扉、右上の建物財産表には 建物財産標 鉄 □ 本屋―1 S12 とあります・・・
 しかし、草野駅そのものは 1897年(明治30年)8月29日:日本鉄道の駅として開業しています。


2012/03/24
現在、上野側から行ける常磐線北端の
広野駅まで行ってきました・・・
汽車の碑が在ります・・・以下碑文から
 広野原は地名由来だったのでしょうか???



 汽 車
今は山中 今は浜
 今は鉄橋 渡るぞと
思う間も無く トンネルの
 闇を通って 広野原

汽車の碑、建立由来
明治、大正、昭和にわたって愛唱されて来た尋常小学校唱歌
「汽車」は常磐線開通により、大和田建樹先生東北地方旅行のみ
ぎり、久之浜-広野間の景観を作詞したものと伝えられ、曲は
大和田愛羅先生の作曲するところである。よって作詞地を記念し
建立する。


2012/03/24
 水戸線 福原駅の油庫・・・新町のものと同じく扉上部が補修されています・・・この部分はやはり強度的に弱点になるようです・・・
 幕上が広いですが明り取り窓が在ったのでしょうか?

2012/03/24
福原駅の油庫 建物財産表・・・大正2年製?・・・


2012/05/06
 わたらせ渓谷鉄道(旧国鉄 足尾線)相老駅の油庫・・・
 扉がアルミサッシに交換されています・・・少々不釣合い・・・


2012/05/06
 わたらせ渓谷鉄道 神戸駅の油庫・・・鉄製の扉上部にはRがあります・・・


2012/05/06
 わたらせ渓谷鉄道 足尾駅の油庫・・・相老駅や神戸駅のものに比べて大型・・・扉上部にはRがあり、木製・・・

2012/05/06
足尾駅の油庫・・・サイドから・・・屋根の連なり・・・
わたらせ渓谷鉄道には詰所・駅本屋など他の建物も良いものが多いです・・・

2012/05/06
足尾駅の油庫・・・背面の様子・・・

2012/05/06
足尾駅の油庫・・・クローズアップ・・・Windowsのロゴみたいですな・・・


写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
このところ、病魔や怪我に祟られ撮影旅行を度々キャンセル・・・そんな中、
しびれを切らしたのかヒガミちゃんが代わりに二本木へ油庫を取材に行ってくれました・・・

写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
信越本線・二本木駅の油庫、正面・・・レンガの積み方はイギリス式・・・屋根瓦は新しい物のようです・・・

写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
二本木の油庫、建物財産標・・・許容積雪量150CMが面白い・・・明治43年9月とあります・・・

写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
二本木の油庫・・・背面の様子・・・

写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
二本木駅に進入する電車・・・スイッチバック駅の布線ですな・・・

写真提供:ヒガミちゃん 2012/06/23
そのときの行程での撮影・・・米山駅付近で・・・会心の一枚だそうな・・・


次は> 油 庫 2 へ

油庫リスト へ戻る

無軸_top