平成筑豊鉄道 | 夏の青春18切符2日目は平成筑豊鉄道・・・1895年に開業した旧豊州鉄道が母体で、 線路周辺設備には、面白いものが多い路線です・・・ |
2015/08/30 | |
小倉 532 レ 行橋 601 早朝に小倉駅を出て、行橋駅で急いで乗換え・・・ ディーゼルカーの運転士さんから直接一日フリー切符を買い求めます。 |
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ディーゼルカーの車内には平成筑豊鉄道の歴史写真が多数展示・・・ 行橋 609 レ 油須原 643 |
2015/08/30 | |
車輌のフロントガラス越しに、ビーム橋も撮ります・・・ これは短い木マクラギを組み込んだタイプ・・・ |
2015/08/30 | |
ディーゼルカーの運転手さんは、当方が千葉県から来たことが判ると、 もっと車両の前面まで来て撮っていいよとか、 この駅では6分停車だから降りて駅を撮ると良いよとか、 もし駅名標を撮るならドアを開けるから云ってくださいとか、 色々便宜を図って頂き、大変親切な方でした・・・ |
2015/08/30 | |
運転手さんのお言葉に甘え、崎山駅前の様子を撮る・・・ |
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まだ朝もやたなびく平筑線・・・ |
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九州の鉄道で最も早くに掘削された第一石坂(いっさか)トンネル・・・ トンネルの設計そのものは複線断面なのですが、その前後の擁壁部分も含めて単線分しか掘削してないという、 実に横着・・・もとい興味深い構造・・・模型にも是非取り入れたい・・・ |
2015/08/30 | |
第二石坂トンネルが近づいてきました・・・ こちらはまっとうに複線分掘削してあります。 |
2015/08/30 | |
トンネル断面上部は真円ではなく、楕円がかったもの・・・ しかも第一と第二で微妙に異なります。 線路は将来の複線化を念頭に、始めから片寄せて敷かれています。 このすぐ先が源じいの森駅・・・ |
源じいの森駅の案内板から 九州で一番古い 石坂トンネル 第一トンネル(延長33.2m) 第二トンネル(延長74.2m) 豊州鉄道は、北九州と田川の産炭地を結ぶ鉄道として会社を設立、1895(明治28)年に行橋~伊田間を開業 しその後添田まで延長、この間1901(明治34)年に九州鉄道に合併され、のちに国鉄田川線となった。この区 間は将来の複線化を念頭に建設されたため、2本あるトンネルはいずれも複線断面で建設されたが、結果的には 単線で使用したため今日に至っている。この2本のトンネルはまた、九州最初の鉄道トンネルとして記念すべき 赤レンガの芸術作品であり、建設当時の姿を良好に保っている。構造と断面は隣接したトンネルでありながら両 者で異なっており、第一石坂トンネルは側壁と迫石の下半分が素掘りの岩盤となっているほかはすべてレンガ構 造で、パラペットのレンガには装飾的技法が見られる。一方、第二石坂トンネルの覆工はすべてレンガ積である るが抗門は整層切石積でできている。断面はどちらも独自のもので第二石坂トンネルは完全な複線断面である が、第一石坂トンネルは山側の岩盤が未採掘のまま残されている。なお、田川線はJR九州を経て、1989(平成 元)年10月1日に第3セクターの平成筑豊鉄道へ経営が移管され、今日に至っている。 九州鉄道建設にあたって、技術顧問としてドイツ人でプロシア国有鉄道機械監督の職にあったヘルマン・ルム シュッテル(Hermann RumScho”ttel:1844-1918)を招き(明治20年来日~27年帰国)技術指導を受けた。 また、豊州鉄道は、ヘルマン・ルムシュッテルと共に働いた野辺地久記(後帝国工科大学教授(現東京大学工学部 :1863-1899)の設計により造られた鉄道である。 明治の日本を代表する工学博士野辺地久記が設計したこの赤レンガのトンネルや鉄橋は世界に誇ってよい構造 物といえる。 [図]第一石坂トンネル断面 [図]第二石坂トンネル断面 |
2015/08/30 | |
源じいの森駅では車掌車の展示を車窓から見るだけ・・・ 次に、平築線を訪れる機会があれば、ぜひトンネルと併せて資料写真を撮りたい。 |
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油須原に到着・・・親切な運転手さんの気動車を見送り・・・ 出発信号機の位置が低いので、このようなアングルでの写真も・・・ |
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油須原・・・ |
2015/08/30 | |
気象告知板とか通票仮置場とか・・・ |
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駅本屋待合室・・・古い列車時刻表とか運賃表とか・・・ |
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ホーム側の様子・・ |
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ポストを入れて・・・ |
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手荷物預かり所は判りますが、自転車も??? |
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今回の撮影行で最も気に入っている写真。 できれば自転車が古風なスタイルだともっと良かった・・・ |
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油須原で、しばし幸福な時を過ごして列車が来ました・・・ |
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内田駅で降ります・・・ |
2015/08/30 | |
内田駅でディーゼルカーを見送ると、鉄橋を渡る音がしたのでちょっと見に行きます・・・ |
2015/08/30 | |
多くの場合、支えの石は左右で寸法が大きく違っていたりするのですが、 こちらは約±3mmの精度で揃っていました・・・ 肥後の石工に代表されるように、加工技術が高いのかもしれません・・・ |
2015/08/30 | |
トンネルだけでなく橋台も複線化を見据えた構造です・・・ 石が歯型になっていて拡幅部分と組み合わさる予定でした・・・ |
2015/08/30 | |
その反対側の石積みはフラット・・・ プレートガーダーの見学はこのくらいにして、赤駅方向へ向かいます・・・ |
2015/08/30 | |
さて県道418号線沿いに引き返していくと小型のビーム橋を見つけました・・・ やはり手前側の石積みはフラット・・・向こう側は歯型に積まれています・・・ |
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さらに県道沿いに歩くと三連橋の案内板があり、 列車の通過も間近いので撮影を先に・・・ |
2015/08/30 | |
三連橋の上流側・・・石積です・・・ |
2015/08/30 | |
対する下流側・・・レンガです・・・ 以下、写真右手にある案内板の記述・・・ |
内田三連橋梁(通称・みつあんきょ) (文部科学省登録有形文化財・経済産業省認定近代化産業遺産) 所有者 平成筑豊鉄道株式会社 建造年月 明治二十八(一八九五)年 文部科学省登録基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの 経済産業省認定基準 近代化産業遺産群ストーリー31 (産炭地の特性に応じた近代技術の導入など九州・ 山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業構造遺産群) 【特徴と評価】 筑豊地方の石炭運送鉄道網拡充のため設立された豊州鉄道株式 会社が油須原~香春(現在の勾金駅)間の一部として建設した。 三連アーチ式の中央に河川が流れ、その両脇は道路となっている。河 川の上流側が切石造、下流側が煉瓦造、橋梁基部は切石造である。これ は水流による圧力に耐えうるための設計と考えられる。 河川上流側と下流側で全く異なる意匠となっているのは、設計当初 から後年の複線化を考慮したものとされる。つまり、下流側に見られる 煉瓦造の美しい凹凸は、路盤を拡幅する際さらに煉瓦を加えるための ものと言われる。しかし複線化はされず、結果としてユニークな景観と なった。 明治時代の中期の工法等当時の技術を目の当たりにできる貴重な 近代化遺産である。 平成十二年 六月 赤村 赤村教育委員会 文化庁 文化財愛護シンボルマーク 背景写真:四季折々の景観が愉しめるみつあんきょ(撮影:橋本正勝氏) [写真]下流側 [写真]上流側(県道側) |
2015/08/30 | |
下流側のレンガの壁面・・・ 模型化したいところですが、恐ろしく大変そうです・・・ 3Dプリンターでも活用しなければ無理でしょうな。 |
2015/08/30 | |
三連橋の見学を終え、赤駅方面へ歩くとまた橋が・・・ こちらは大部分コンクリートで埋められていて小さな通路が設けられています。 しかし、反対側の様子を見に行く元気はありませんでした。 |
2015/08/30 | |
付近の民家の塀もレンガが多い・・・ 雁木(がんぎ:レンガを装飾的に斜めに積む)の段があります・・・ |
2015/08/30 | |
またもやレンガ橋・・・ |
2015/08/30 | |
近づいて見るとやはり歯型になっているのがよくわかります・・・ |
2015/08/30 | |
反対側から・・・フラットにレンガが積まれています・・・ 巻の部分はレンガの焼き色を違えていることが判ります・・・ |
2015/08/30 | |
県道から右へ折れて赤駅へ・・・GPSが無いと大変判りにくい・・・ 駅方向を示す標識ぐらいは在って欲しいところ・・・ 駅前には未成線に終わった国鉄・油須原線を辿ることができるナローゲージ・・・ |
2015/08/30 | |
赤駅への進入・・・ |
2015/08/30 | |
この気動車で勾金駅へ・・・ 赤 937 レ 勾金 945 |
2015/08/30 | |
勾金駅に着いて油庫周辺の様子・・・ |
2015/08/30 | |
扉上部は破損したようでコンクリートブロックで支持しているのと修繕の跡があります・・・ 扉上部には平成筑豊鉄道の表示。 扉の掛け金や蝶番などにも注目。 レンガの積み方では、あちこちに端材が入っています・・・ |
2015/08/30 | |
道路側から・・・レンガの積み方は長手積です。 窓をレンガで埋めてますが、レンガが連続している部分もあり・・・ 窓の上部には水切りもあり・・・屋根の欠損部には草も生え・・・ |
2015/08/30 | |
屋根を支えるのは鉄製のチャネル材ですが、 元の構造を削って取り付けているので後の工事と思われます・・・ |
2015/08/30 | |
レンガの寸法が足らず、端材を加えた箇所・・・(写真の下から2.5段目) 建物財産標の類は見当たらず・・・ レンガの寸法は(220~230)×(105~110)×約60とやはりバラツキが多い感じでした。 |
2015/08/30 | |
23.6kmの距離標と共に・・・ こちらの壁面には臭突の跡とそれを支える金具が見えます。 列車からも見やすい鉄道遺産として、これからも大切に保存していって欲しいものです。 勾金駅を後にします・・・ 勾金 1030 レ 田川伊田 1035 |
2015/08/30 | |
田川伊田駅に着くと巨大な2本煙突と竪坑櫓・・・ |
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地形の関係でホーム通路は地下、出口は地上になります・・・ 改札は写真右手の明るい通路がJR、左手の暗がりが平成筑豊鉄道。 |
2015/08/30 | |
案内板に従って、田川市石炭駅歴史博物館へ・・・ 途中、田川伊田駅を俯瞰。 |
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石炭車の展示・・・炭庫は金属製ですな・・・ |
2015/08/30 | |
59684蒸気機関車・腕木式信号機・竪坑櫓・炭住・・・ 機関車はスマートな門鉄デフで、どうにも9600には似合わないように思えるのですが・・・ 運転室の窓には金網が張られています・・・機関車の手前にはなぜか赤ポスト。 |
2015/08/30 | |
室内の展示も充実しているのですが、一番興味を惹かれたのはこれ・・・ 炭坑の設備とその関連がよくわかる模型・・・ |
2015/08/30 | |
竪坑櫓と炭住・・・炭住の窓下には少しレンガが使用されています・・・ |
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炭住の台所の様子・・・ |
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電気機関車・・・ |
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圧搾空気式機関車・・・ 蒸気機関はもちろん、火花が発生する可能性のある電気も使用できない、 メタンガスの多い坑内で使われたそうです・・・ 圧搾空気を詰め数百メートル走ることができたらしい・・・ |
2015/08/30 | |
博物館の見学を終え、高台に登ってみると炭坑殉職者慰霊之碑・・・ 碑文には次のように記されています・・・ 略・・・採掘の活況は実に壮観であった。然し一方、 瓦斯爆発、落盤、出水、坑内火災等の被害も又甚大で殉職者は推定二万人と言われている、 やがてエネルギー革命により、百年にわたる炭坑の火は消え栄枯の歴史の幕は閉ざされた。 今日、吾が郷土の発展の陰には、尊いこれら炭坑殉職者のいることを決して忘れてはならない。・・・略 |
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高台から降りて駅へ向かいます・・・機関車と石炭車がよく見える・・・ |
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駅へ戻って構内風景・・・こちらはJR側のホーム・・・懐かしい洗面台・・・ |
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田川伊田駅を発ち、金田から糸田線も踏破します・・・ 田川伊田 1246 レ 金田 1257 1259 レ 田川後藤寺 1312 |
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田川後藤寺駅にて・・・ 跨線橋は補強の一部の斜材が途中までの珍しい構造・・・ 田川後藤寺 1320 レ 直方 1353 |
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昨日に続いて直方駅で降り・・・ 多賀神社の外周を大回りして直方市石炭記念館へ・・・ |
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コッペル32号機関車・・・煙室扉がボイラー中心にないのは珍しい・・・ シンダの排出を容易にするためか? あと、機関車の手前に駐車するのは遠慮して欲しい・・・ |
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石炭車・・・連結器はバッファーとリンク・・・ 貝島炭礦鉄道で使われていたものかも知れません・・・ 軸バネはシュウ式・・・板バネの上につっかえがあり、少々構造が変に思われる。 |
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コッペルを線路側から・・・右手の現在、石炭記念館本館として使われている洋館は 麻生太吉、貝島太助、安川敬一郎ら筑豊御三家と呼ばれた炭坑主らが会合を行っていた、 元「筑豊石炭鉱業組合直方会議所」でもあります・・・ |
2015/08/30 | |
その直方会議所の2階から望むセム1型石炭車・・・トップナンバーです。 台枠は輸入品でENGLANDの表記もかすかに読み取れました・・・ 明治期と昭和に増炭工事が行われ、炭庫は昔とは全く異なったものになったそうです。 左に少し見えるのはC11 131・・・ |
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やはり2階から望む、圧搾空気式機関車・・・ |
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ターンテーブルを流用した跨線橋・・・ 右側に横を向いた入換え信号機が見えます・・・ |
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横を向いた入れ換え信号機・・・ |
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帰りは石炭博物館から線路沿いに多賀神社の境内を抜けると直ぐでした・・・ 平筑線気動車の向こうに昨日取材したレンガ油庫。 直方 1525 レ 博多 1632 1641 レ 香椎 1652 |
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乗りつぶしのため、香椎線へ・・・ 香椎 1700 レ 西戸崎 1725 |
2015/08/30 | |
砂丘・・・ |
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西戸崎に着いて0距離標と共に・・・香椎駅から南半分は明日乗ります・・・ 西戸崎 1730 レ 香椎 1754 1756 レ 博多 1807 |
2015/08/30 | |
博多に着いて初めて「ゆふいんの森」を見て少々感激・・・ またヒガミちゃんと合流して夜の博多で食事・・・ |
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