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フライス盤の魔改造 駆動系 鉄道模型界では、比較的評判の良いフライス盤ですが、
ギヤ駆動のため、最高速で回すと、すさまじい音がします。

なので夜間は、とても作業できるものではありません。
低速時も、ひどく賑やかで、ワークへの刃当たり音で加工原点を割り出す事も難しい。

そのためか、海外にはベルト駆動に改造する、怪しげなキットも存在したようですが、
ここでは、こまごま設計計算を行いながら、魔改造を図ることに・・・
個々にパーツを購入すれば、かなり割安で済みますし・・・

ところで、最近は会社でも、計算ができず、勘で設計する人が増殖中で困ります。
昔は、数学や計算をおろそかにした設計をすると、上長からこっぴどく怒られたものでした。
ましてや、数学的センスに溢れた技術者にお目にかかる事も無くなり、
日本の将来が案じられる事態です・・・
最近、大企業でも多く見られるプロジェクトの失敗、崩壊・・・その根底には、
数学力の不足が潜んでいる場合が多いように思われます。


ベースプレートの部分組立図です。
機体差もありうるので、あくまで参考程度に見て下さい。
オリジナル機は減速比が、Lo:1/4と Hi:1/2の2速で、
作例でも当初、交換できるように、両方のプーリーを考えていましたが、
OJゲージの工作には1/2の減速比だけで十分のようです。
購入品は以下の通りで、廉価で済みました。

大プーリー(K30XL037BF・片山チエン・30歯)¥979-
小プーリー (K15XL037CF・片山チエン・15歯)¥629-
タイミングベルト(100XL031U・三ツ星ベルト・幅7.9mm・周長254mm)¥589-
タイミングベルト(100XL037U・三ツ星ベルト・幅9.5mm・周長254mm)¥679-
タイミングベルトは幅の異なる2種類を準備しました。

上記のタイミングベルトを使用したとき、プーリーの軸間距離は、68.8mmとなります。
またさらに、後述の軸間調整機構を設け、微調整に対処します。

2019/11/16
ベースプレートは手持ちの材料に、たまたま t8 A5054 快削アルミが在ったので・・・
バンドソーで切り出しているところ・・・

2019/11/16
バンドソーで切り出した端面は、改造前のフライス盤で仕上げます・・・
フライスの制御回路は調子が悪かったので、既に自作品に交換しています。

2019/11/16
ロータリーテーブルにセットし、これから角を丸めるところ・・・

φ50 の穴を開ける。
先に開けた取付け穴を利用し、ロータリーテーブル上に固定して、
ゆっくり回転させながら、溝を掘っていきます・・・
コラムと支障するので、ロータリーテーブルは手前にずらさないと、
ワークを360° 回せなくなります。

ギヤを抜き取る・・・
写真のように、ギヤ・プーラーを使いましたが、
固く嵌っているわけではなかったので、
無くても何とかなったようです。
これで、しばらくフライス盤は使えなくなります・・・

工作機械で、それ自身を作る事になるため、手順をよく考えないと、
加工手段を失ってしまうのは、注意すべきところでもあり、数学的な面白さを感じるところ・・・

自己への言及ということから、
数学・集合論の「自分自身を要素として含まない全ての集合全体の集合・・・」
ラッセルのパラドックス)にも相通じるような・・・

この後、変形六角形のギヤボックスを外します。

2019/11/23
加工したベースプレートを取り付けます・・・
黒い押さえ板は元の部材の流用。

2019/11/23
大プーリーに開いている穴径の拡大・・・
旋盤の中ぐりバイトで、φ20+0.02ぐらいに仕上げました。

中ぐり作業は、バイトのオーバーハング量が大きく、精度が低下しがちなため、
横送り台の蛇行動は、できるだけ避けたいところですが、
横送り台を真鍮製に魔改造したため、このような難しい加工も安定して行えます。

この後、プーリーにM4セットビスを取り付ける加工を行います。

小プーリー穴径の拡大。
やはり旋盤で φ8+0.02ぐらいに仕上げました。
φ4.5 に入る、小径用中ぐりバイトを用いています。

この作業をボール盤とドリルで行うと、穴径が正確に出ませんし、
加工面も綺麗に仕上がりません。
さらには穴の垂直度も不正確になる事があります・・・
プーリー穴の精度が悪かったり大きすぎると、
回転中にプーリーががたついたりして騒音の原因になります。

こちらも、プーリーにM4セットビスを取り付ける加工を行います。

2019/11/23
モーターを取り付けるスペーサー3個。H=36 φ20 のアルミ(A5052)円柱です。
これも旋盤で丸棒から挽きました。
スペーサー下側は右端のように、センターにタップを立てますが、(上下逆さまに置いてあります)
上側モーター側は、センターから5mm偏芯させた位置に M5 タップを立てます・・・

写真は、大プーリーには未だフランジを取り付けていない状態です。
フランジはプーリーの説明書に従い、しっかりカシメます。
ロックタイトも併用すると良いです。

2019/11/23
プーリーを取り付け、タイミングベルトを掛けます。
先ず、主軸から遠い方のスペーサー上下の、取付けボルトをゆるく締めます。

次いで、ベルトのテンションが適切になるよう、パイプレンチでスペーサを廻します。
スペーサのタップ位置が偏芯しているので、
モーターが少し移動してベルトにテンションがかかります。
その状態でボルトを締めて固定。
残りのスペーサーも廻して穴位置を合致させ、ボルトを締めて終了。

ベルトの適正なテンションはベルト幅に依存し、
ベルト幅7.9mmの方は軸荷重で、25.1~37N (2.6~3.7kgf)
幅9.5mmの方は 33.6~46.4N(3.4~4.7kgf)ですが、大体で構わない様です。
張りが弱すぎると過負荷時にベルトがプーリーに乗り上げます。
強すぎるとベルトの寿命が短くなり、消費電流も増えます。

ベルトのテンションの測定は、ベルトに程々の押圧を掛け、
その時のたわみ量から計算することができます。

タイミングベルト幅は、制御回路に、過負荷・過電流シャットダウン機構が在る場合は、
大して過負荷が掛からないので、幅7.9mmで十分です。
そうでない場合は、幅9.5mmを使用します。
幅9.5mmの場合は、騒音が若干大きいのと、アイドリング時の消費電流が若干増えます。

オリジナル機のプルロッドのエンドキャップ(赤矢印)を、そのまま利用したく、
さらにプーリーガードを兼用させる目的もあって、
元の天板の一部を加工して、取り付けました。
エンドキャップを使用しない時に、一時、立て掛けておくスタッド(橙矢印)も付けました。

Z軸方向のDROのため、ベースプレートに厚板の金物(緑矢印)を取り付けています。
1/100mm を安定に計測したいので、取り付けベースの十分な剛性が必要だからです。

当方の機械は、幸いコラムの回転ガタがほとんど無く
それによるDROの計測誤差は、計算すると僅かです(最悪でも1/100mmに達しない)。
ですので、コラムの回転対策は行いませんでした。

ベースプレートにはモーターへの中継端子も取り付けました。
安全のため、モーターからのFG線(緑色)は、一旦ベースプレートに落とし、
それから制御ボックス側へ配線する必要があります。

すぐ真下は金属の切子が飛び散る環境のため、
圧着端子の金属部は、絶縁のためのカプトンテープ(茶色)で覆って万全を期しました。

2020/01/20
モーターから100Hzの唸り音が若干しますが、相手が真鍮なら、
低速でエンドミルが、シャカシャカ削る工作が楽しめます。
元が、ジャー・・・ギャーという、騒々しい機械だったとは想像できません。

同型のマシンバイス2台の内、微妙に背の高い方を、低い方に揃える為に削ったところ・・・
相手が鋼の時は、大してうるさくもないので、周りに気兼ねなく最高速で回せます・・・

自作した制御回路に加えて、
デジタルノギスを使ったDROも3軸に装備しました。
魔改造の終わった旋盤と併せて記念撮影・・・

制御系と駆動系は???・・・なフライス盤ですが、
モーターの回転そのものは静かで強力、滑らかで、
フライス主軸ベアリングも良いものが入っていました。
XYステージの出来は、さすがに評判の良い機械のことはあります。

しかし、これらは、国内で検品・再調整された機械だからかもしれません。


この頁のURL   http://musikfest.ran-maru.net/OJQ022.html

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