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 旋盤用 ジブ
 Brass Gib Strips
海外の、機械工作系ユーチューバーの動画を眺めていますと、中華旋盤のジブを、
滑りの良い真鍮製に交換して、好結果を得た・・・滑らかに動くようになった・・・

2025/05/09
というような動画がいくつか挙がってまして・・・
Rigid Mini Lathe Upgrade - Brass Gib Strips Mod
Lathe Rebuild - Cross Slide Part 2 (Gibs and DRO)
これまでジブは硬い鋼鉄製でなければならない・・・
と思い込んでましたが、それは先入観だったようです。
それで、当局旋盤の横送り台も、調子が悪かったので、ジブを真鍮製に交換しました。

上写真は、元の状態で、ジブが転んでアリ溝に密着していません。(↓矢印)
動きも渋く、滑らかではありませんでした。



真鍮製ジブ製作の様子。
アングルバイスに所定の厚みの真鍮板を挟んで、メタルソーを通し、斜めに切断。
上に転がっているのが、切断したジブ。
ジブの長さは60mmと短いので工作は簡単です。



取り付けてみました。
手前のハンドル等は外した状態で撮影。
これまでと違って、ジブが空間一杯にピッタリ嵌り、見た目も良好です。

実際、動かした状態も、ぬめーと滑らかに動くようになり、
工場の本格旋盤のような感触です。




 フライス盤用 ジブ
 Gib Strips for the Mill
旋盤のジブ交換で、好結果を得たので、今度は、これも動きがすこぶる悪い、
フライス盤のZ軸(高さ方向)のジブを、真鍮製に交換してみましたが・・・

すると滑らかに動くようにはなりましたが、今度は、ロックが不十分。
ロックが効きません・・・

ロックは、ジブ板をロックネジでアリ溝へ押し付ける訳ですが、
どんなに強くロックしても、真鍮は滑りが良いので、強い力が加わると動いてしまいます。

フライス盤Z軸の、ロック不十分は致命的なので、
ジブの、ロックネジの圧を受ける部分だけを、摩擦係数の高い鉄にしてみたら?
と考え、真鍮と鉄のハイブリッド・ジブを試作してみる事に・・・
真鍮板に、鉄片の入るところの溝を掘ってます。



鉄片をハンダ付け。
本当は、銀ロウ付けの方が、強度が高く良いのでしょうが、
設備がないので・・・



エンドミルの側面削りでフラットに仕上げます。
同時に真鍮板の厚みも調整。



アリ溝の角度は55°なので、90°-55°=35°
でアングルバイスは35°に設定します。
中華系の工作機械のアリ溝は、45°でも60°でもなく、なぜか55°が多い。



上辺をメタルソーで、真鍮・鉄片もろとも切断したところ。



続いて、DROの数値に従ってメタルソーの位置を下げ、下辺を切断。
自動的に両辺が平行なジブが出来上がります。



面取り等を行い、加工の終了したジブ。(写真下)
写真上は、元のジブです。
長さだけ少し長く作りました。厚みその他の寸法は変えていません。
中央の色が変わっているのが、ハンダ付けした鉄片。

この鉄片周辺が、後ろ側からロックネジでアリ溝に押しつけられます。
鉄は摩擦係数が高いので、ロックが効くはずです。
他は滑りの良い真鍮なので、ロックを解放した際は、
滑らかな動きが期待できます。



ジブをアリ溝に通したところ。構造的に余裕があるのでアリ溝より多少長く作りました。
抜け止めのビスなど、余計なものも付けてあります。(←赤矢印)
ロックハンドル(緑矢印→)の軸の奥に、先ず真鍮板、そして鉄片が在り、
それがアリ溝に強く押し付けられてロックが掛かる訳です。

結果は、鋼鉄製のジブ程ではないと思いますが、
全真鍮製のジブより、余程しっかりロックが掛かるようになり、実用の範疇になったと思います。

また、X軸・Y軸と同様、
Z軸の動きも、DROの最小分解能 0.01mm 刻みで滑らかに動かせるようになりました。
これまでは、Z軸の移動中に、DROの数値が不規則にスキップしたりして、
調整が非常に難しかったのです。 



主軸の垂直度も測定してみました。今年一月の測定に比べて、
前後は変化ありませんが、左右は、若干改善しているように見えます。

検査事項 場所 許容差mm
(メーカー規格値)
測定値mm
工場出荷時
(メーカー測定)
2019/2/26
測定値mm
(当局測定)
2025/1/7
測定値mm
(当局測定)
2025/5/4
主軸のテーブルに
対する垂直度
振回し直径90mm
につき前後
0.05 0.02 0.03 0.03
振回し直径150mm
につき左右
0.05 0.01 0.04 0.03



これからしばらく使用してみて、ハンダ付け箇所の剥がれなど、不具合が出ないか様子を見ていきます。
あと、大部分が真鍮製なので、摩耗・消耗が激しいかもしれません。

工作機械は、後で思わぬ不具合が出ることもあるため、
評価は長い目で見ていかねばなりません。




  フライス盤 ツール棚 Tool shelf
  フライス作業はツールチェンジが多いので、その作業短縮が、直接、時短にもつながります。
  そこで、町工場のを参考にツール棚を製作・・・
 


1×4材で製作。
フライステーパーを置くようにしました。他、旋盤チャックなども・・・
特に、メタルソーは組み立てたまま置いておけるので、便利です。


ツール棚は、フライス盤の奥に設置しました。




この頁のURL   https://musikfest.ran-maru.net/OJQ043.html

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