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 鐘ヶ坂隧道
 Tunnel portal of Kanegasaka tunnel.
しばらく、工具・工作機械関係のページが続きましたが、
今回は、レイアウトビルダーらしくトンネルポータル製作です・・・

建築限界を示すゲージを置いてありますが、場所は梯子の近く・・・
ここにはトンネルを設置しようと思うのですが、柱とのクリアランスが不足するため、
通常の馬蹄形断面のトンネルは設置できません。
トンネル内に柱が飛び出てしまいます・・・

柱を削ればいいじゃん・・・と無責任なヤジも聞こえてきそうですが・・・

そんな中、昨年、訪問した狭山池博物館で入手した冊子の表紙を見ていると、
雰囲気のよろしい逆U字形断面のトンネルが載っています・・・(最右下)

鐘ヶ坂隧道・・・竣工明治16年(1883年)/現存最古の、煉瓦積み道路トンネルということです。
現物は見たことがありませんが、この形態なら無理なく設置できそうですので、
こちらのトンネルポータルをアレンジして設置することにします。

2019/08/03 撮影
古い、逆U字型トンネルといいますと、
関東では清水谷戸トンネルの上り線が、
現役最古の鉄道トンネル(1887年竣工)として有名ですが、
鐘ヶ坂隧道の方が、形態的に面白いので、やはりこちらを製作することにします。

2021/02/14
厚紙に作図・・・

2021/02/17
桧棒を接着、レンガ積みの部分を切り抜き・・・扁額もあります。
建築限界ゲージでも判る様、断面はぎりぎりに設定しました・・・
鉄道黎明期から使用されているトンネルで、断面積が極小という想定です。

実物の扁額には有栖川宮熾仁親王の「事成自同」と揮毫があるのですが、
事が成し遂げられられたのは、自然の成り行きと同じ・・・とも解釈できるような・・・
明治初期、苦労したであろう工事関係者から見れば、身もふたもないお言葉???
本当は、自然の法則に則れば、自ずと事が成る。というような意味なんでしょうな。
知らんけど・・・

胸壁のレンガ壁は英国積みなのですが、
生憎、英国積みのレンガシートの市販品は無いようなので自作します。
追記:現在は model brick yard から pdf データを生成することができます。
レンガの積み方はこちら・・・

工作は、先ず、厚紙上に紙粘土を塗り付け、ラップでくるんでローラーで均します・・・

真鍮板を加工して製作した治具で、
紙粘土にレンガ2段分を順次スタンプして、英国積みを表現していきます・・・

要石(かなめいし:キーストーン)には鶴の彫刻があります・・・
鉄道トンネルに、彫刻が飾られていたものが在ったのかは知りませんが、
重要なモチーフなので、これも同様に再現します・・・

こちらも芯を厚紙で製作し、
それにフレキシブルモデリングペースト(リキテックス)を
少し盛り上げて整形します・・・

これからレンガパターンを写した紙粘土に塗装するところ・・・
東京駅高架橋の赤レンガを顔料とした、アクリル絵の具を用意しました・・・
もちろん色合いはドンピシャですが、特製なので普通色の倍の値段・・・
もう少し廉価だと良いのですが・・・

2021/03/01
レンガの胸壁を取り付け、正面部の塗装も大体終えたところ・・・
先に、ジェッソで下地を整えておいてから、アクリルガッシュを塗ると作業がやり易いです。
アクリルガッシュにセラミックスタッコ(リキテックス)を混ぜると、
ザラザラとした砂感を表現できます。
側面は、石積を表現するための長方形の厚紙を貼りつけ中・・・

2021/03/03
ほぼほぼ出来たので、定位置に置いてみます。
写真で見てみると、肉眼とは少し印象が違い、
塗装やウェザリングが少し雑すぎたようです。
トンネル内壁のレンガはスプリングライン下が英国積みで、上半分が長手積みのようですが、
間違えて全面英国積みを印刷して貼りつけてしまいました。
→後日、修正しました。

安楽に、自然に、レイアウトが完成するようにとの願いを込めて・・・(勝手な解釈です)
「事成自同 令和参年 無軸」の扁額も掲げました!?!

事の理に因れば則ち労せずして成る 韓非


 坊谷トンネル
 Tunnel portal of boutani tunnel.
関西本線や常磐線(旧線)のトンネルポータルは、個々にデザインが異なり、
トンネルファンとしては見逃せない線区です。

2021/03/27
関西本線・坊谷トンネルも、名古屋方、湊町方で少し意匠が異なります。
名古屋方は門柱、巻きがレンガで、湊町方はその部分が石材に切り替わっています。
石材の方が製作が楽なので、プロトタイプは湊町方とし、先ず作図してみました。
実物の石材は花崗岩で、スプリングライン下の石材は表面が平滑に整えられています。
トンネル断面は非常に狭く、建築限界ギリギリです・・・

2021/04/12
桧棒と厚紙で枠組みを作りました・・・
胸壁のレンガ部分はこれから製作します。
レンガ壁は、先回とはまた違った製作法を試みます・・・
2021/04/24
翼壁を除いて完成・・・色調は一考の余地ありですな。
もう少し、塗装やウェザリングの腕を上げなければ・・・
2021/07/21
多少、黒煙や鉄錆のウェザリングを施しました。
レンガ壁は、桧棒から製作した英国積みとしました。

 箱根第二隧道
 Tunnel portal of hakonedainizuidou.
箱根第二隧道風のトンネルポータルを製作します。

2025/04/25
イラストボードに直接、罫書いて、切り抜いて、貼り付けて・・



補強の桧棒の接着・・・



設置位置に置いて具合を見ます・・・
トンネル断面ギリギリの車両が、飛び出てくる様子が好きなので、
第二号型曲線用という小さな断面形状にしています。



さらに追加工事。
江戸切と呼ばれる、石材の表面加工方法に似せたいので、
表面に、ベージュ色を混ぜたナチュラルサンドを塗って、凸凹面にしています。



トンネル内壁は model brick yard で pdf データを作成し、
レーザープリンターで厚紙に印刷したレンガペーパーで作ります。
実物に倣ってレンガの積み方は、トンネル内巻き上半分が、Stretcher bond、
下半分は、English bond としています。

断面形状を保つため、内巻きは写真のように補強を入れてます。
トンネル断面積が小さいので、断面形状が崩れると車両と接触する恐れがあります。



所定の位置に置いて確認します。
手前の曲線分岐器全体を見せたい為、トンネルポータルをこの位置まで後退させた訳です。
その代わり、線路が上へ被さってしまいました。
未だ、厚紙状態の側壁の工事はこれからです。

どうにも、塗装、ウェザリングの技術がまだまだですな。
Facebookなどを見てますと英国のモデラーのなかには、恐ろしく上手な方がいます。
教えを乞いたいところ・・・



車両を通してクリアランスを、改めて確認・・・



2019/04/28 撮影
ところで、当局レイアウトのように、
擁壁が、トンネルに覆い被さるような、施工が実在するのか、
疑問に思われた方もいらっしゃると思います。

上写真は御殿場線・箱根第二隧道の例です。
この場合は、トンネル上部に土砂が流入してきた為、
後に、追加工事したものと思われます。



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