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 リベット打出器
  Riveting machine
Oスケールで、リベットを安易にエッチングで表現してしまうと、不自然な事は否めません。
そこで、フライス盤を利用した、リベット打出しに依る実感的な方法をご紹介します・・・


2023/08/18 作業
ダイは、M4ホーロービスに Φ0.7 等各種径の貫通穴を開け、焼き入れしました。
ポンチは、折れた小径エンドミルを砥いで作りました。
先は、あまり尖らせると、ワークに穴が開きます。
t0.2 燐青銅板の場合、写真の程度が良かったです。

ダイのブロックは、フライス盤のZ軸コラムに吸着させた、大きめのマグネットベースで保持しています。
この技法は、鉄道模型の部屋 さんの記事を参照させて頂きました。
DRO付きフライス盤を、簡単にリベット打出器にできる、優れたアイデアだと思います。


フライス盤のDROを用いて、座標管理で打ち出しています。
除雪車ラッセルヘッド側板用、左右を一緒に作業しています。
奥に、フライス盤Z軸コラムに吸着させた、マグネットベースが見えます。


ラッセルヘッドに、リベットを打った側板を組付けました。


エアタンクとなる t0.2 燐青銅板に、リベット打ち出しを終えたところ・・・


リベットだらけのエアタンクを背負った、寿都鉄道の木造ラッセル車。




 リベット打出器・帯板二列用
  Riveting machine
転車台橋用として、帯板に二列のリベットを打ち出します・・・

2024/02/09 作業
当局だけの現象かも知れませんが、
帯板にリベットを打ち出す様な、同じ作業が繰り返される場合、
リベット打出し中にマグネットベースが、
僅かずつですが、一方向に移動してしまう事が判りました・・・
その為、いずれリベットを打ち損じてしまいます。

そこで、止むを得ず、マグネットベースを 12mm 厚鉄板に交換。
その鉄板を、フライス盤コラムに直接ネジ止めする事にしました。(矢印↓)
コラムのネジ穴位置は正確に決めねばなりませんが、
それは結構、難しい作業となりました。
セッティングの簡便さという意味では、やはり、元のマグネットベースの方が優れています。

横に伸びた支柱は、元のマグネットベースの支柱を流用しました。
ただ、支柱を鉄板に強固にネジ止めするために、
先端に、スパナ掛けのフラット面の追加工を施してあります。


他、XYテーブルのTスロットに嵌るコマを追加製作しました(矢印↑)
帯板を真っ直ぐに整えるため、作業中、適宜このコマを引っ張ります。


そのような対策を施して、リベットを打った帯板・・・
左、四枚は余長を短く裁断後です。
後は、ただひたすら数表を見ながら量産作業を繰り返すのみなはずですが・・・


やはり、二列リベットを打つのは難しい・・・

二つのポンチ高さが僅かでも異なると、右二つのように捩じれてしまいます。
伸ばした際にも、平面が僅かにカーブしてしまっている為、転車台橋に使用するのは難しそうです。
左四つは、ポンチ高さを修正して打ち直したものです。


そのポンチの構造。
二つのポンチの入る穴のうち、一方は先止まりの穴ですが、
もう一方にはホーロービスを仕込んであり
高さ(突き出し量)を微調整できる様、してあります。


二列リベットを打った帯板を、転車台橋にハンダ付けしました。



 リベット打出器・帯板一列用
  Riveting machine
転車台橋用として、帯板に一列のリベットを打ち出します・・・
二列より一列の方がはるかに簡単です。

2024/03/08 作業
フライス盤を利用した、セッティング。


左のコマを引っ張り、帯板をピンと張って打ち出していきます。


リベットを打つ位置は、ノギスを利用したDROの指示値に依ります。


ポンチは折れたエンドミルを砥いだものです。
ポンチ形状は頂角約120°の円錐ですが、
先端に僅かなフラット面を設けてあります。
当局の工法では、ダイ側が単なる貫通穴なので、
ポンチの先端形状が、リベットの形状・風合いを決定します。

ダイは、M8のホーロービスに、
リベットの穴(作例はΦ0.8貫通穴)と、
帯板が嵌る、幅2.15mmのガイド(帯板は幅2.10±0.02mm)を併せて作り込みました。
帯板の中心に正確にリベットを打てる様、造らないと、
リベット後の帯板がひどく湾曲して、使い物にならなくなります。

ホーロービスに穴とガイドを作り込み、焼き入れ・焼き戻し(200℃/1hr)を行いました。
焼き入れだけだと、打ち出し中に穴が欠けたりして、やはり具合が悪いです。
ダイは、フライス盤で数個製作して、
実際にリベットを打ち、状態の良いダイを選びました。


リベットを打った後、次のリベット位置に移動しているところ・・・
ダイから帯板を都度、剥がさないで移動すると、
折角打ったリベットに強い力が加わり、リベットの頭が取れてしまう事があります。


リベットを打ち終わったところ・・・
リベット個数はもちろん、リベット間隔変化も実物を反映しています。
大変そうに見えますが、数表を作成し、DROが在れば造作もない作業です。


エクセルで作成した、その数表。


拡大するとこんな感じ。
まあ、一応リベットに見えるでしょ・・・


転車台橋に一列のリベットを打った帯板を、ハンダ付けし始めたところ・・・




 リベット打出器・ガセットプレートの製作
  How to make a gusset plate.
転車台橋用として、ガセットプレートを製作します・・・
トラス橋など応用範囲は広いです。

ガセットプレートの製作法です・・・
始めに、DROを利用した座標管理でリベットを打ちます。
リベット間の微妙な間隔の違いも忠実に再現できます。
列中央の間隔が、少し広い事が判ると思います。


外形もエンドミルで切削すると、精度良く作れますが・・・
上写真の方法では、エンドミルの回転によって、ワークが上方に巻き上げられてしまいます。
指で、ワークを押さえる事も出来ますが、危険です・・・
写真は、危険を顧みず、ワークを指で押さえつつ切削したもの。


こんな危険な作業はやってられないので・・・
エンドミルにスリーブ(自作)を取り付けて・・・


このようにすると、ワークが巻き上げられる事もなく、安全に素早く切削できます。


2024/03/29
転車台橋中央にガセットプレートをハンダ付けしました。



この頁のURL   http://musikfest.ran-maru.net/OJQ053.html

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