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 除錆車
  Rail Cleaning Car
レイアウトの本線部分は大体線路を敷き終わりました。長らく、車両を
走らせていなかったため、レール磨きから始めねばなりませんが・・・

・・・サンドペーパーなど、レール材より、はるかに硬い砥粒系の使用は、
レールを摩耗させるため、できれば避けたいところです。

かといって、布や紙・フェルトと薬剤・溶剤等の組み合わせは、これまでも各種試しましたが、
頑固な錆に対しては、効果的なものは見当たりませんでした。
おまけに、これら薬剤・溶剤は、
プラ枕木や、レール側面の塗装を侵食する懸念もあります。

そういったことから当局では以前から、
モーターツールに真鍮ワイヤーホイールブラシを装着して磨いていました。

下表のように、レールより真鍮の方が柔らかいので、レールの損耗を低減できることが、
真鍮ワイヤーホイールブラシを使う根拠となります。
ちなみに、サンドペーパーに用いられる砥粒は各種ありますが、
いずれもビッカース硬さは、2000 以上です。


参考:ビッカース硬さ Vickers hardness
Material Vickers hardness [HV]
Wire wheel brush 真鍮 Brass 80~150
Rail 洋白 Nickel silver 185~235
砥粒
Abrasive grain
アルミナ Al2O3 2300
炭化ケイ素 SiC 2480


ところで、レイアウト全線をモーターツールを持って掃除して歩くのも、ほぼ不可能な話で、
以前から車両に搭載し、レールクリーニングカーとして纏めたいと目論んでいました。

なお、この真鍮ワイヤーホイールブラシ方式は、当局が最初ではなく、
庭園鉄道用としての先例を、どこかで拝見した記憶があります。

2023/07/13
当初、このようにラッセル車に組み込む事を考えていましたが、
構造的に困難と判っため、改めて製作をやり直します。


2024/08/16
改めて製作した、レールクリーニングカー全景。
車体そのものは、レイアウト製作で、ホーム端を罫書くために製作した車両を改造しました。


クリーニングユニットが見易い様、手前のウエイトを外して撮影しています。
構造は、御覧の如く簡単なものです。

クリーニングユニットの自重で、ブラシがレールに接します。
モーター近くの丁番で、クリーニングユニットを釣り掛け式に支えています。
丁番はノートパソコンを分解した際に、取り外したものです。

上に突出したネジは、ワイヤーホイールブラシの最低高さを調整するストッパー機構の一部です。

ウエイトを載せないと実際に稼働させた際、車体がバタバタと暴れます。
ウエイトは、活字金属を簡単な木型に鋳込んで作りました。

左右のワイヤーブラシの先端が、同時にギアボックスの金属部に触れるとショートするので、
ギアボックスの表面には、茶色のカプトンテープを貼って絶縁しています。


ギアボックスの底蓋を外して撮影。
ウォームホイールの形状の影響で、
モーター軸も中心から少しずれています。
ギア比は18:1です。

現在のところ、モーターは定格 1.5V のもの FA-130RA-2270 を用いています。
単機でクリーニングを始めると、勝手に自走して行きますが、
実際には機関車と連結して、ゆっくり押して仕業する様しています。

また、写真のように、ブラシの毛先が広がるので、
旧シノハラ製品等、分岐器の通電方式によっては、
基本レールとトングレール間など、異極性が近接している箇所で、
ショートの危険性が増すので、注意する必要があります。


ギアボックスを切削加工しているところ。
ウォーム軸、ホイール軸ともベアリング装荷としました。
ホイール軸は、外径 Φ6 の樹脂製として絶縁を確保し、
それに軸を短く切った、真鍮ワイヤーブラシホイールを圧入しています。

当初、ラッセル車として製作したりしてましたが、
実際に仕業してみると、バタバタした動作音が、
むしろ、ロータリー雪掻車の音に似ていなくもない事に気が付きました。
それでいつか、ロータリー車を製作し、
それに搭載することを妄想し始めています。


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