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 旋盤の魔改造
 芯押台 チャックアーバー
 Lathe tailstock chuck arbor
芯押台に、YUKIWA製チャックを取り付けられる様、チャックアーバーを
自作します。今回は難易度の高い、テーパー切削作業も行います。

元の芯押台のチャックはこんな感じ・・・
なぜか φ10 ストレートシャンクの外側にネジが切ってあり、
そちら側で芯を出すようになっています。
加えて、チャック自体のガタも多いです。

従って精度は良くなく、φ10ストレートシャンクを基準とする回転センターと比べると、
0.1mmほど、ずれている事が多く、これまでは誤魔化し、なだめすかして使っていました。
これを、高品質なYUKIWA製チャックと、自作アーバーに交換します。

当鉄道の工作機械、三種の神器といえば
サーキュラソー・フライス盤・旋盤となりますが、
サーキュラソーが最も手が掛からず、次がフライス盤、
この旋盤は最も手が掛かりますが、これを最後にしたいところ・・・

しかし、そうは言うものの、主軸やベッドなど基本性能は良い旋盤なので、
改良・創造の余地を、ふんだんに残しておいてくれたと好意的に解釈しましょう。
値段も値段ですしね・・・

製作するアーバーの図面です・・・
実際製作したものより、少し改良してあります。

下のテーパーをコピーする作業で、
YUKIWA製チャックとチャックを保持するための治具です・・・
チャックにこの治具を咥えさせて、芯押台、主軸上にセッティングします。
これも、わざわざこの作業のために作りました。
φ10ストレートシャンクの製作の練習にもなりますが・・・
後で、先を尖らせ焼き入れして、固定センターに作り替えると無駄になりません。

φ10ストレートシャンク部は、
旋盤で目標とする径より0.01mmぐらい太く仕上げておいて、
あとは、芯押台のシャンクに軽く圧入できる径まで、
ドリルレースの要領で、油目ヤスリで調整していきました。

他端はチャックが咥える事の出来る径であれば良いです。作例は φ7 としました。

S45CD 材から、先ずアーバーのφ10ストレートシャンク部を切削します。
次に先程の要領で、芯押台のシャンクに軽く圧入できる様、径を調整しておきます。

今回の作業の山場・・・
旋盤のトップスライドにチャックのテーパー角度を写します・・・
写真でもトップスライドが僅かに傾いて設置されているのが判ります。
チャックは 6.5MG (YUKIWA)を購入。テーパーは JT1 なので θ=2.2075° (2°12′27″)
これが合っていないと当然、アーバーとチャックのテーパーが密着しません。

トップスライドを動かして(赤矢印)、テコ式ダイヤルゲージの針が振れなくなると、
トップスライドとテーパーの角度が一致したことになります。
ダイヤルゲージが見にくいので鏡を置いてあります。
チャック自体は、先の治具を咥えさせて保持しています。

なお、ダイヤルゲージの指示値だけでなく、トップスライドの傾きをノギスで計り、
JT1 テーパーの角度 θ=2.2075° との比較もしています。
すなわち、作例では横送り台の幅 50mm に対して約1.93mm の傾きとなるはずですが、
50mm × tan(2.2075°) = 1.9273・・・mm
0.01mm(ノギスの測定限界) の精度で一致していることを確認しています。

また、ダイヤルゲージの接触子の高さは、主軸に正確に一致させねばなりません。
そのためダイヤルゲージの下に敷板を敷いて調整しています。
もちろんトップスライド自体のカミソリ、
芯押台のセッティングも事前によく調整しておく必要があります。

全ての作業一つ一つに誤差が入り込む余地が無いかを考え、
確認しながら作業しなければなりません。
この角度調整作業だけで、約二時間、要しています。

次いで、φ10 のストレートシャンク部を、芯出ししたコレットでチャックし、
角度を写したトップスライドで、テーパーを切削しているところ・・・

トップスライドで切削を終え、チャックを嵌めてみると、
テーパーが少し長すぎ、底付きしているようなので、1mm程詰めました。
これも図面には反映させてます。

2022/7/4
YUKIWA製チャックと、製作したアーバーです。後で、これをチャックに叩き込みます。

アーバーだけでは、回転してしまうので・・・ナットを付けます。
φ30 の真鍮丸棒から切削しました。
径を大きくしたので手締めも可能です。
写真は、ボール盤のベルトを外し、手回しで M14 のタップを立てているところ。
ナットのネジ山はユルメになる様、下穴径を大きめにしています。

ナットとアーバーをロックタイトで接着した後、アーバーをチャックに叩き込みました。
ナットはあくまで回転止めで、センター保持はストレートシャンクが行います。
作例はナットが少々厚過ぎたようです。図面は直しました。

製作したアーバーとチャックをセットし、センタードリルを突き合わせているところ・・・
これまでは、色々誤魔化し、なだめすかしながら作業していましたが、
これで φ0.3 のセンタードリルなどをチャックしても、どセンターにきますので、
うっかり刃を折ってしまう事も無くなり、何も余計な策を弄せずに作業できます。


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